(3)松原(まつばら)の回転橋(かいてんばし)
(4)旧(きゅう)彦根(ひこね)港湾(こうわん)<船着(ふなつ)き場(ば)>


明治(めいじ)の初(はじ)め頃(ころ)、湖岸(こがん)にあった松原港(こう)と長曽根(ながそね)の彦根港は、湖上(こじょう)を走(はし)る連絡船(れんらくせん)の港(みなと)としてたいへん栄(さか)えていました。
ところが1889年<明治(めいじ)22年>に東海道(とうかいどう)本線(ほんせん)が全線(ぜんせん)開通(かいつう)すると、湖上輸送(ゆそう)はわずかに小型(こがた)の和船(わせん)だけが出入(でい)りするだけになり、すっかりさびれてしまいました。
1919年<大正(たいしょう)8年>の県(けん)議会(ぎかい)で、彦根港湾の改修(かいしゅう)が決(き)められ、1921年から1927年にかけて、松原港から約(やく)1300mにわたって運河(うんが)が掘(ほ)られ、大型(おおがた)遊覧船(ゆうらんせん)等(など)が通行(つうこう)できるように改修されました。
この運河にかけられたのが、「松原の回転橋」なのです。
橋(はし)から下流(かりゅう)がS字型(じがた)のカーブになっているのは、大きな船(ふね)が入港(にゅうこう)する時(とき)、強風(きょうふう)にあおられて速度(そくど)が速(はや)くなり、帆(ほ)を倒(たお)すひまがなく、橋につき当(あ)たる恐(おそ)れがあるので、このカーブで2度(ど)舵(かじ)をきって速度を落(お)とし、帆柱(ほばしら)を倒して通過(つうか)していきました。
大型の船が通(とお)る度(たび)に「橋が回(まわ)るよ!」の声(こえ)とともに、2人の作業員(さぎょういん)が橋のまんなかにある歯車(はぐるま)をギッコギッコと回し、橋を回転させていました。
40年もの間(あいだ)彦根市(し)の名物(めいぶつ)として親(した)しまれてきたこの回転橋も、新(しん)港湾の完成(かんせい)<1967年>とともに姿(すがた)を消(け)してしまい、今(いま)の固定橋(こていばし)に生(う)まれかわりました。

郷土(きょうど)読本(どくほん)「ふるさと 城北(じょうほく)」

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松原の回転橋

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松原内湖(ないこ)と東海道開通

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