50 えりと投網(とあみ)
曽根沼にて 曽根沼(そねぬま)にて

雨上(あめあ)がりの川が増水(ぞうすい)したとき、あちこちの橋(はし)のたもとでは投網をうつ光景(こうけい)をよく目にした。
たぐり寄(よ)せられる網に魚(さかな)たちがぴちぴちはねていた。

石寺町の湖岸から 石寺(いしでら)町の湖岸(こがん)から

琵琶湖(びわこ)の沖合(おきあ)いに櫛比(しっぴ)するえり。
先人(ぜんじん)の知恵(ちえ)と経験(けいけん)に裏打(うらう)ちされた創意(そうい)と工夫(くふう)のしかけ。
その昔(むかし)、魚(さかな)たちが湖面(こめん)にうろこをきらきら光(ひか)らせていた頃(ころ)、この琵琶湖では、「梁漁(はりりょう)」、「追(お)いさで網」、「四つ手網(よつであみ)」などの漁法(ぎょほう)とともに、「もんどり」や「どんべ」など夢(ゆめ)のあるしかけをよく見かけた。
これらはまた、豊(ゆた)かな幸(さち)をもたらす琵琶湖とともに生きる私(わたくし)たちの暮(く)らしの一部(いちぶ)ともなっていた。


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