連着町(れんじゃくまち)の腹痛石(はらいたいし)

彦根市(ひこねし) 連着町(れんじゃくまち)[現、城町一丁目]のお話


むかし、彦根山(ひこねやま)に彦根西(ひこねにし)かんのんという、ねがいごとをよくかなえてくださるかんのんさまがおられました。

ある時りょうほうの目が見えなくなった男の人が、かんのんさまのゆめをみました。かんのんさまはゆめの中で

「何ごともいっしょうけんめいに心をこめてすれば、あなたの目はきっとよくなるよ。」

と、おつげになりました。

それをきいたこの男の人は、

「どうかわたしの目がよくなりますように。」

と心(こころ)からおいのりしました。

するとどうでしょう。三日目にりょうほうの目がひらいて、ほとけさまのおとうみょうをおがむことができました。

「おお、かんのんさまのおっしゃったとおりだ。」

と、この男の人は大へんよろこびました。

そしてこのことをみんなにつたえました。

かんのんさまの名は京のみやこにもしられるようになり、遠(とお)くからも彦根山(ひこねやま)におまいりする人でいっぱいになりました。

遠くからきた人々は、たびの道中(どうちゅう)にせおう連着(れんじゃく)をほどき、みちばたの石にこしをかけゆっくり休んでいきました。

すぐ近くには、水のわきでる井戸(いど)もありました。たび人は、そのきれいな水をのんでたびのつかれをとりました。いつのまにかこの石は、おまいりする人にとってなくてはならない大切なものとなりました。

その後(ご)人々はこの石のことを「腹痛石(はらいたいし)」と名づけ、かってにうごかさないように、さわるとおなかがいたくなるといいつたえてきました。

その後この地(ち)は、連着町(れんじゃくまち)とよばれるようになりました。

今も連着町(れんじゃくまち)の四つつじの小さなみぞの上に、だきかかえられるぐらいのまるい形の石 [直径三十センチくらい] がおかれています。

(「彦根(ひこね)昔ばなし」による)

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